『シベリア』というお菓子、皆さんご存知ですか? 「カステラ」に「羊羹」を挟んだもので、三角のサンドイッチ状のものもあれば、ショートケーキ状の四角いものもあります。まだまだ今のように生洋菓子の種類が多くなかった時代に子ども時代を過ごした方々にとっては、かなり懐かしい、感涙もののお菓子です。
少し前になりますが、NHK大河ドラマ「いだてん」を見ていた時に、『シベリア』が登場していました。オリンピック出場をためらう人見絹代さんを説得するシーンで、迷っている彼女にすすめられるお菓子がこの『シベリア』でした。和モダンともいえるシックなインテリアの中、人見絹江さんが出場を決断する場面での重要な小道具としておしゃれな洋皿にのせられ、スポットライトが当たっていました。「あ、なつかしい! 食べたいな・・・」と思いました。
それより前に映画でも使われていました。ジブリ「風立ちぬ」の映画で、主人公の堀越二郎が帰宅途中に『シベリア』を買い、同僚と食べるシーンがあったのです。ゼロ戦の設計者であった堀越二郎さんは実在の人物で、1903~82年に生きてらした方なので、ちょうど昭和初期に流行っていたことになります。
明治後期から大正期にはすでにあった、一時は子どもが食べたいお菓子No.1だったという話あります。但し、関東圏で特に人気だったともあるので、関西の方はご存知ないかもしれません。首都圏のパン屋さんでは庶民の味として作られていたそうで、今も関東に行けば見つかる可能性は高いとのことですよ。
大手ではヤマザキ製パンが出しています。たまたま見つけ、迷うことなく購入してみました。だって特に関西ではこれを逃すともう手に入らないかもしれないですから。
カステラのしっとり感と羊羹のもっちり感のコラボが最高です!! カステラ部分は甘さ抑え目、羊羹はもちろん甘さしっかり。あんこ好きにはたまりません。「もっと手軽に食べたい!」という食い意地から「手作りもできるんじゃない?」と思いました。あんこに寒天を混ぜて羊羹を作って挟むだけでしょと。
しかし、ウィキペディアさんによると羊羹は流し込むとのこと。そこで楽天レジピを調べると・・・ありましたよ。最近は本当に便利な時代になりましたね。スポンジケーキを焼き、あんこと寒天で作った羊羹をたっぷりと流し込み、少し固まったタイミングでさらにもう1枚スポンジケーキをのせます。羊羹が固まりしっとり落ち着いてから切った方がよさそうですね。
これって母の日、父の日の手作りお菓子にぴったりじゃありませんか。昭和を生きてらした方々であれば思わず笑みがこぼれる懐かしいお菓子です。作るのも決して難しくないですし、ぜひ挑戦してみてください。
ちなみに楽天レシピですが、茜丸からもあんこを使ったレシピ264品を載せています。今であれば、「夏みかんババロア」が一番人気のレシピで、二番人気は「黒豆鹿の子ブラウニー」ですよ。検索窓に「茜丸」と入れてぜひご活用くださいね。
そうそう、余談ですが、『シベリア』のお供には「ミルクコーヒー」がいいそうです。つまり、ミルクたっぷりのカフェオレですね。1930年に農文協から発行された『聞き書 東京の食事』には、ミルクコーヒーと『シベリア』のカラー写真が掲載され、ミルクホールではこのメニューが大流行したという文もあるとか。カラー写真というのはその時代ではまだ特別でしょうから、かなり肝入りで紹介されたのでしょうね。
以上、あんこが好きすぎるメディア担当からの和スイーツの紹介でした!
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