おしるこって好きですか? 昔懐かしい記憶も重なり、思わず表情が緩む人も多いかと思います。祖母も甘いものが大好きな私のためによく作ってくれたものでした。私自身も子どもが小さかった頃はよく作りました。小豆から煮て、お餅を焼いて・・・は、お正月の楽しみでもありました。
でも最近はあまり作っていないですね。小豆から煮て作るのは結構面倒ですし、子どもたちがあまり甘いものを食べなくなったという理由もあります。おしるこを作る時はどうしても大量になってしまいますが、ひとりで延々と食べ続けるのはちょっと厳しいです。
そんなことを思っていた矢先、ふと冷蔵庫をのぞくと、茜丸の『蔵出し味噌あん』が入っているではありませんか! いやいや、欲しくて注文したんですが(笑)。
なぜ『蔵出し味噌あん』を注文したかというと、お菓子作りがプロ級という友だちと昔、手作りどら焼きでいろいろなあんこを試食するイベントを計画した際、「あんこは何味がいいか?」と話し合っていた時、「味噌あんも案外合うかもね」とつぶやいていたのを思い出したからです。
パンにこの味噌あんを塗り、ちくわをのせて焼いてみたいと前々から思っていました。ホットドック風にしてマヨネーズをかけるときっと美味しいでしょう。和風ピザにもいいとカタログには書いてあります。私個人としては、「サバの味噌煮に隠し味的に入れるとどうかな?」と思っています。とろみが簡単につき、豆の旨味も加わってさらに深い味わいが出そうです。
届いたあんこはいつも容器に移すことにしています。袋に入ったままだとなんとなく使うのが億劫になりますから。
早速、味見してみました。こ、これは、私の大好きな〇〇屋のくるみだんごの味じゃないですか! もちもち柔らかい団子の中に入ったくるみ味のするあんこの基となる味はお味噌だったのだと、今さらながら知りました。くるみ団子にはくるみの粒々感ももちろんありましたが、味そのものはほとんど同じです。
「食べたい、すぐにでも!」ということで、手間が掛かる団子ではなく、おしるこにすることにしました。ちょうど白玉粉も家にあったので。作るのはこっそり一人分だけにします。だって味が今ひとつだったら必死で処理するのはしんどいですからね(笑)。
それでは最初に白玉を作ります。白玉と水の割合はほぼ同量で耳たぶくらいの硬さになります。が、おしるこには少し硬めがいいそうなので水は若干少なめにします。白玉粉自体は固まっていますが、水を入れるとすぐに吸水するのか、ダマになることなくスッと溶けるので、水が少ないかもと思うくらいでも大丈夫です。
混ぜてこねて形作り、沸騰したお湯にいれて浮かんできてから3~4分待ちます。その後は冷水にとり少し落ち着かせます。ここまでで10分もかからないでしょう。
写真を見ると、入れたときと沸騰させた後では色が若干違っていますね。味噌汁の場合は沸騰させてはいけないとよく言われますが、みそしるこの場合はどうなんでしょう。香りは少し飛ぶでしょうね。でも味噌汁ほどに香り重視でなくてもよいかもしれません。
おわんに注ぎ、先程作っておいた白玉を入れます。最初は沈みますが、しばらくすると浮かんできてかわいい白色のもち肌を見せてくれました。優しい薄茶色の中に浮かぶ白玉は見ているだけで和みますね。見るからに美味しそう。お店でおしるこを頼むと横にちょっとした塩辛いものがつきますから、細切り昆布も置いてみました。箸置きも置いてひとり和カフェ気分です。
味は、もう美味しい!の一言です。粒あんのおしるこももちろん好きですが、味噌味のおしるこがこんなに優しくて深い味わいだなんて知りませんでした。いんげん豆のふくよかな味わいが口の中に広がります。滑らかな舌ざわりにうっとりします。お味噌の加減もいい感じです。
「どうして和カフェのメニューにないんだろう? 出せばきっと人気なのに」と思いました。あんこの材料であるいんげん豆は小豆よりも割高ですし、豆が大きい分、作るのに手間も掛かるというあたりも思い浮かびますね。でもこんなに美味しい味を知らないでいるのはもったいない!
この優しい美味しさはきっとファンになる人がいると思いますよ。ヨーロッパで味噌汁が「MISO SOUP」として人気が出たくらいなので、意外と外国人にうけるかもしれませんね。
そうそう、私は鍋に入れて味噌あんを溶かしましたが、すぐに溶けたのでもしかしたら器に直接注ぐだけでもよかったかもしれません。夜、マグカップに『蔵出し味噌あん』を入れてお湯を注いで小腹を鎮めるなんてこともできるかもしれません。カフェインはもちろん入っていないので、眠りを妨げることはないどころか、かえって眠りを誘ってくれるかもしれません。
タイトルの「ひとり分だけこっそり作って食べる幸せ」を訂正します! 「ひとり分だけこっそりと、超簡単に、超おいしい、みそしるこを作って食べる幸せ♪」です。あまりに簡単で、あまりに美味しすぎました。ちょっと感動しました・・・ホントですよ。
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