和菓子で感じる日本の文化

 暑かった夏もようやく少しずつ秋の気配。綺麗な空や光り輝く月を見上げる機会も増えました。春の桜もいいけれど、秋の美しさはまた格別。日本で生活する幸せをひしひしと感じます。

 そして、秋といえば「食」。和菓子屋さんの前を通る度に「何か新しいもの出ているかなぁ」と、墨で書かれたお品書きを見つめます。今日はたまたま「栗蒸し羊羹」や「栗大福」の文字を見てしまい、用事のさなか気もそぞろ。一瞬躊躇しましたが(この前もケーキ食べたとこやん!との心の声が・・・)、帰りにはやっぱり寄ってしまいました。

 ということで、今回買い求めたのは「イチジク栗蒸し羊羹」と「栗大福」です。イチジクは何度食べてもいいですね。和菓子と洋菓子、どちらにも合いますし、そのまま食べてもジャムにしても美味しいです。でもそろそろ旬が終わりでしょうから、その前にもう一度というわけです。

 お店は奈良県の生駒駅前から近い「幾世屋(いくよや)」さん。宝山寺参道に続く道の途中にあります。奥にある和カフェがステキなお店で、名物の『宝゛多餅(ぼた餅)』を以前ご紹介しました。

 「ぶどう大福」にも惹かれつつ、買ったイチジク栗蒸し羊羹は、宝゛多餅(ぼた餅)と同じく羊羹部分の味はあっさりめ。それだけにイチジクと栗の味をしっかり感じることができました。爽やかな甘みのイチジクと香ばしさイッパイの栗に秋を感じました。

 「秋はいいなぁ、日本はいいなぁ」と、しみじみ思いましたよ。

 もちろん、洋菓子でも秋を感じることができます。果物メインのケーキであれば、果物が前面に押し出され、つやつやと綺麗にコーティングされてガラスケースの中で輝いています。先日も桃のケーキを食べ桃の美味しさを満喫しました。

 でも、和菓子で感じる秋はなんだか少し違います。イチジクにしても栗にしても、その実っている様子が目に浮かぶようなんですよ。本来の味を生かし、甘さを足したりせず、むしろ、その自然な美味しさが引き立つようにそれ以外のものを引き算するからでしょうか。

 今回のイチジク羊羹や栗大福であれば、あんこを控え目な甘さにしたり、大きさを考えて入れたり。そう、大きさも大事。大きめにゴロリとちゃんと入っているのがいいです。派手さのためにたくさん入れたりせず、ちゃんと味わえるように丁寧に絶妙な数を入れる。そんな控え目な感じがまたいいんですよね。

 和菓子にはやはり日本人らしさが感じられます。自然なままであること、元々ある良さを生かしきること、こういった「らしさ」はいつまでも残しておいてほしいですね。

 日本らしさといえば、和菓子屋さんのシンプルな包装も大好きです。必要最小限で理にかなっていて、でもちゃんと和風のシックな色の紙が巻かれている。そのお店のトレードマーク的なものもちゃんと印刷されていて歴史も感じられます。

 もう一つの栗大福も美味しくいただきました。栗はまだまだ走りなのかもしれませんが、しっかり熟した美味しい栗でした。茶道では季節を先取りしていただくことを価値あることとしています。その手間暇を想像して感謝をします。この栗大福も来たる秋が楽しみになるような味の濃い栗ともっちもちの生地が嬉しい大福でした。

 秋がついにやってくる! あんこがさらに美味しい季節ですね。楽しみ、楽しみ!!!

AKANEMARU NEWS

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