前回の亀屋博永さんの次に、実はもうひとつ和菓子のお店に寄ったんですよ。お店の名前は「銭幸」。これまたGoogleさんの案内で知りました。クチコミの評判がよかったので大いに期待しスマホ片手に進みました。
場所は、ウン、ごくごく普通の感じ。住宅が並ぶ中に控えめにあるので、見逃してしまいそう。季節柄、秋のお菓子が並んでいました。悩みましたが、「栗羊羹」と「亥の子餅」、そして「きんかん餅」を買いました。
ひとつずつ、3つ買ってお値段は465円(税込)! これってイマドキすごくないですか!? ケーキひとつでもこれより高くなっていますから、3つの味が楽しめてワンコイン以下なんですから!!
選んだ3つはどれも今の季節ならではのものばかり。我ながらグッドチョイス。ケーキも、オーソドックスなクリーム系、ベイクド系、ムースやゼリー系、フルーツ系など色々あると思うのですが、和菓子もそれに負けず劣らずいろいろな製法がありますから、どれにしよう・・・とあれこれ迷う楽しさもあります。
亥の子餅は粒あんがしっかり甘く、ニッキ(シナモンではなくニッキと書きたい)が効いていてひとつで十分満足です。渋めのほうじ茶と似合いそう。かわいいウリ坊を思い浮かべながら食べられるのがいいですよね。そんな遊び心も日本的。
栗羊羹は今年あまり食べていない気がして選びました。羊羹を棹で買うのもいいですが、少人数でいただくにはこんなふうに切り分けられているのはありがたいです。丁稚羊羹的なあっさりした甘み。栗の黄色が輝いて、先ほど京都御所で見たイチョウの黄葉が思い出されました。
そして、きんかん餅。これが実は大好きで・・・。ちまたでは「いちご大福」が人気で、もちろん美味しいですが、これがもっと好き。きんかんのオレンジ色が素敵なのと、ほんの少しの苦味とあんこが絶妙なのですよ。いちごよりもきんかんは小さいですから、自然と大きさも小さくなり、何種類も一度に食べたがる私にはちょうどいい。こちらのものは氷餅がまぶされているので、手で持ってパクリといくのがオススメです。
たぶん作ったその日に売り切るのでしょう。すでに売り切れているものも多く、「美味しいんだろうなあ、また来よう!」と思わせられました。種類によっては何日かもつものだとしても、作りたてをいただく喜びはご近所にあってこそ。小さい店構えながら種類が多くて、季節によって少しずつ変えていくのだろうと思うと、一年のその流れを全部知りたい!この近くに住みたい!と思いました。
お店のご主人はいかにも菓子職人さんといった風の制服を着て、ささっと無駄なく応対してくださいました。そんなそっけなさもいいなあ、京都だなどと思ってしまいました。包装の簡素な感じも好きです。形を崩さないためのプラケースにきちんと店の名前が見える紙が巻かれています。このひと手間がうれしい。
和食も和菓子も、その意匠や材料に季節を感じさせますね。そこが世界遺産として登録されたポイントでもあります。夏は寒天を作った涼しげなものが並び、冬は薯蕷饅頭や羊羹などむっちりつまった豊かさを感じさせるものに変わっていく。なんでしょう、人の心、感性に沿っているように思うのですよ。
今回の和菓子旅もおいしいもの、人との出会いがありました。楽しかった~!
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