たまたま目にした『平安時代のスイーツ』という本に載っていた「いもがゆ」を作ってみました。
「いもがゆ」といえば、芥川龍之介の『鼻』を思い出す人いるかもしれませんね。確か国語の教科書にありました(年齢がばれそう)。当時は言葉の通り、ごはんにさつまいもを入れたおかゆだと思い、「そんなに夢中になるほどのもの?」と不思議に思っていました。
でも平安時代のお菓子を紹介するこの本によると、「いもがゆ」はあるお侍さんがたらふく食べたいと願ったもの、だそうです。出典は『今昔物語集』。平安時代に思いを馳せながら作って食べる、なんだかウキウキします。
作り方は、超簡単です。
①薄めの乱切りにした山芋を酢水につけます。
②砂糖を溶かしてシロップを作り、山芋を軽く煮ます。おしまい!
途中、アクをとること、煮すぎないことがポイントでしょうか。
平安時代には冷蔵庫はなかったでしょうから、常温で食べてみました。山芋からの自然なとろみがまるで葛湯のようです。おまけに滋養を感じるほのかな香りがします。たぶん、山芋からの自然な匂いでしょう。食感は外側がシャキシャキ、噛むとむっちり。この噛み心地はかなり幸せ♪
「さとうきび糖」を使ったので少し茶色ですが、本には多めの「グラニュー糖」と「三温糖」を使うと書いてありました。割合的には、グラニュー糖が多めなので山芋が白く透き通り、上品なスイーツといった写真が掲載されていました。
「いもがゆ」は平安時代には高級なデザートだった、とも書かれていました。「ひさげ」という急須を大きく深くしたような形状の、銀製の鍋に入れて供されたそうです。銀製の容器で運ばれてくるなんて、目にするだけで期待が膨らみますね。お侍さんが大感激したというのも想像できます。
写真ようにあんこを添えて食べるもよし。あと、おろし生姜を添えても美味しいんじゃないかと思いました。
後日、少し取り分けて器ごと冷蔵庫で冷やしておきました。滋養ある手作り和菓子が家で待っていると思うと帰ってくる道々で嬉しくて♪ 食べてみるとさらにねっとり感が増したよう。期待を裏切らない美味しさでしたよ!!できたてよりもかえって美味しかったかも。
これはもう我が家の定番お菓子に昇格です! 温かくして食べても冷やして食べても美味しいということは年中楽しめますね。どうぞお試しください。
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