旧三井家下鴨別邸の望楼にいつか上りたい!

 前回ご紹介した「京菓子展『手のひらの自然-徒然草』2021」の本会場は有斐斎弘道館。そして今回ご紹介するのは、特別会場として公開されている旧三井家下鴨別邸です。重要文化財の指定を受けている建物ですからさぞかし素敵だろうと楽しみにしていました。

 旧三井家下鴨別邸は明治13年に建築されたもので、もともとは京都市内木屋町にありました。それを今の場所に主屋として移築したのは大正12年。それ以外の部分は、改めて設計し直されたそうです(現地でいただいたパンフレットより)。

 眺望を楽しむことを主眼にされたからか、どこからでも外の景色が眺められ、和菓子も景色も贅沢に楽しめる会場でした。座敷から眺める庭は、建具に邪魔されない仕様の大正ガラス入りの障子越しによく見えました。

 建物は3階建てで3階は望楼となっています。そこにも上れるのかとワクワクしましたが、残念ながら、この日、3階に上れるのは朝食を予約されたお客様のみとのこと。また、2階についてもこの日は公開されていませんでした。でも普段は貸室として貸し出されているそうです。

 ひと部屋ひと部屋、見事な杉戸絵や昔の文献、歴史を感じる柱や土壁など、見所がたくさんありました。水屋も使われていた当時が想像できる、いかにも使い込まれたといった風情がありました。そういったものを目の前で見られるのですから貴重です。

 数々の和菓子は、ひしゃくをライトの代わりとしたスポットライトを浴びていました。茶道好きの私には嬉しい遊び心。思わず笑顔になり、楽しくその意匠をひとつひとつ眺め、そして、カードに書かれている材料から味を想像しました。

 どれも食べてなくなってしまうのはもったいないほど独創的です。これらを応募作品として仕上げるまでにどれほど頭を悩ませ、いくつの試作がされたのでしょう。「50gの立体造形」である京菓子。作る側にとっては厳しいのか、かえって簡単なのかなどと考えました。

 まるで、どら焼きのような意匠ありました。「蒸しドラ焼き製」とあります。蒸し??

 庭にもおりてみました。憧れの望楼も外から眺めました。どんな景色が見られるのでしょう。高いところは好きですから(笑)。次回にはきっと!

 玄関脇のカフェスペースに戻り、少し休憩することにしました。受付で選んでおいたお菓子はツルリとした肌が美しい外郎製のものです。形がかわいくて口に運ぶ前にしばし観察。銘は「なりひさこ」で、それをイメージしての造形です。作者の思いも一緒に味わえたらいいのですが。

 しばらくするとなんと菓子職人の方が来られてご挨拶してくださいました。白い作業着を着て、頭には低く四角い帽子をのせてらっしゃいます。そして何より感心したのは、お辞儀の形です。少し背を丸め、さらに腰を落とし、頭を下げたその姿は時代劇のドラマで見る姿そのもの。さすが京都!歴史が今も息づいているなどと思ってしまいました。

 ちなみに、そこでの和菓子も本会場と同じく「有職菓子御調進所 老松」製だそうです。そこの職人さんだったのでしょうか。一言、二言の言葉を交わせばよかったのですがなんだか圧倒されてしまいました。腰を低くして来られていたのに。これもまた京都マジックでしょう。

 ふぅ~~質のいい豆と上品な甘さのあんこはやっぱりいい。心が落ち着く。それと合わせる抹茶は身体がシャンとする。つまり、心も身体も元気になる最高の組み合わせです。本当にいいもの、好きなものだけ口にして生活していきたい、そんなお嬢様のようなことを思ったのでした。これは三井家マジック。 

 今回のテーマは「徒然草」でしたが、過去には「琳派」「蕪村と若冲」「源氏物語」「小倉百人一首」「万葉集」「禅ZEN」などがテーマだったそうです。きっとどの回も素晴らしい作品が展示されたことでしょうね。

 古民家好き、和菓子好き、茶道好き、そして何よりあんこを愛する皆さま方、来年はぜひこのイベントにお出かけくださいませ。

AKANEMARU NEWS

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