「温故知新」古きをたずねて新しき・・・「モモヤ」

 ひょんなことから近鉄・布施駅周辺を歩く機会があり、その時に、布施駅前はなんだか楽しい場所であることを発見しました。アーケードのデザインと色がいいんですよ。駅前には「えべっさんの街」という看板があります。まさしくレトロそのものです。

 この商店街について調べると、大正3年に大軌(大阪電気軌道、今の近畿日本鉄道)が開通してから人や店が集まり出し、大正13年に大阪線が開通したのをきっかけに大阪府東部の中心的な商業地となったそうです。その一部が今も残っている「プチロード広小路」。そして、そこの起点ともいえる場所、角地に「モモヤ」があります。

 初めにここの前を通った時に目をひいたのが「栗饅頭」の大きさです。通常の大きさの4倍はあります。栗だけでなく、柿や桃もありました。ショーケースいっぱいに並んでいたのでインパクトがありました。こんなにたくさん売れるなんて、地元の方々に愛されているんでしょうとその時思いました。

 秋になったのを機に、ずっと懸案事項だった?栗饅頭を買いに「モモヤ」に出かけることにしました。

 布施駅から階段を下りると、モモヤはすぐ正面にあります。駅のホームからモモヤの看板が見えますから方向的に迷わず行けます。店構えがもう昭和。「モモヤ」という文字フォントが味わい深いです。いいっ!

 店内の写真を撮らせていただきました。どこもかしこもなんだかなつかしい。いいなぁ、ここと思いました。今日は栗饅頭ですが、袋菓子もたくさんありましたよ。材料が吟味された美味しいものなんでしょうね。

 ショーケースの中には、「おはぎ」、「すいーとぽてと」、「マドレーヌ」などがありました。あと「栗パイ」も。広い道路側には生クリーム大福もありました。「ぶどう大福」が美味しそう。ミックスジュース味の大福もあるそうです。大阪の味ですね。

 さて、お目当ての栗饅頭を購入し、家に帰って実食・・・とその前に撮影。ももの包装紙がなんともかわいい。この控えめな色合い、ほっこりします。紙の感触が昭和でした。裏がつるつるで表がざらっとした感じ。わかる方にはわかるかも、です。

 栗饅頭の大きさですが、両手で包みこんで持てるくらい。手の平に収まる丸い感じが大切なもの、宝物のように思えます。栗の形もかわいい。特にかわいらしい部分の写真をおきますね。どこもかしこもまぁるい感じ。でもてっぺんは少しとがって確かに栗でした。

 下部にはケシの実がたっぷり! 表面がいい感じの栗色でした。以前、栗饅頭を手作りしたときに色ムラができたのを思い出しました。表面に塗る卵液の厚さが均等じゃないと焼き上がった時に色がムラになります。モモヤさんのものは本物の栗の表面の再現度が高く、色ムラなし。さすがです。

 中は白あんが隙間なく入っています。お茶と一緒じゃないと喉に詰まりそうと一瞬思いました。ですが、食べてみると、きめが細かいためか重い感じはありませんでした。さらりと甘さがとけていきます。案外一気にいけちゃいそう・・・。でも無理やりブレーキをかけて、半分をラップに包んでおきました。これはこれで残りを食べるのが楽しみです。

 そういえば、最近は何でもおしゃれに個包装ですね。羊羹もひと口サイズになったりして。確かにその方がみんなに配りやすいし、お皿を使わないで済むからでしょうか。使い勝手はよくなりましたが風情が失われているようにも思います。そんな風に感じるのは昭和の人間だから?

 次回は実家の母に持っていきましょう。きっと大きさに驚いて、楽しそうに笑ってくれるに違いありません。

AKANEMARU NEWS

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